鳥羽和久・植本一子(写真)/それがやさしさじゃ困る/赤々舎

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説明

学習塾やオルタナティブスクール、単位制高校を営む著者による、現代の日本社会に対する問題提起の書。現代の子どもたちの生きづらさについて考察し、さまざまな媒体に掲載された短いエッセイが多数収録されています。

子どもたちと大人たちの間にある断絶はどこから来るのか。一つの大きな要因は大人たちが子どもたちの可能性を信頼していないことにあるのではないか。子どもたちを管理。コントロールしなければ秩序のある社会は実現しない。それは自らが成長する過程で、自由で生き生きとした欲望の発露を後回しにしてきた、言い換えればやりたいことを我慢し続けてきた大人たちにしてみれば、当たり前の発想かもしれない。大人は子供の自主性が大事と言いながら本音では「こう成長してほしい」というモデルをすでに持っていて、一方で子供たちはどう転ぶかわからない自分の可能性を丸ごと受け入れてくれる大人はいないと感じ取り、諦めている。

学校の現場で、親子の関係の中で、勉強や受験という活動の中で、そして今の社会を共に生きるもの同士として、大人と子供の信頼関係をどのように取り戻し、色とりどりのいきいきとした成長につなげていけるのか。日常の生活場面から丁寧に考えてきたその軌跡を本書で辿ることができます。