翻訳文学紀行Ⅷ

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説明

異国への旅は、見知らぬ物事との出会いに満ちているようでいて、慣れ親しんだ事柄と思いがけず再会する機会をはらんでもいる。

それは異国の物語を読むときも同じだ。まったく知らない言語で書かれていても、登場人物は、自分も聞き覚えのあるジョークで笑い、まさに昨日自分がやらかした失敗を犯す。何千年前の話であろうと、人は同じ空を仰ぎ見、同じ天体を指さし、同じように願いをかける。地球の反対側で育っても、違う時代に生まれても、わたしたちが抱く思いや日々の営みはそう大きくは違わない。だからこそ、物語は時空を超えて人の心を動かすのだ。

第八号となる今回は、以下の通り、モンゴル国、ロシア、ナイジェリア、マルタ、カリブ海地域の作品を収録。

目次
1 星は語りかける――モンゴル語文学(モンゴル国)
 「星々の断章」[抄訳]
 オイドブ・ソドノムピル 著
 阿比留美帆 訳

2 誰の戦いか?――ロシア語文学(ロシア)
 『なかったこと』[第一部第三章・第四章・第十六章]
 ボリス・サヴィンコフ(ロープシン) 著
 田村太 訳

3 憧れを追いかけて――ハウサ語文学(ナイジェリア)
 『ほうき星』
 ウマル・A・デンポ 著
 塩田勝彦 訳

4 愛おしい愚かさとちょっとの知恵と――マルタ語文学(マルタ)
 「罪は眠らない」ほか十篇
 テーミ・ザンミート 著
 依田純和 訳

5 声なき女たちの歌――フランス語文学(カリブ海地域)
 『腐葉土』[抄訳]
 ファビエンヌ・カノール 著
 善本知香 訳

ページ数
414
判型
文庫版並製本
装丁
有園菜希子