説明
訳者:中村加代子さんよりメッセージ
こつこつ翻訳をしてきました『南光』という台湾の長編小説が
5月20日、春秋社の「アジア文芸ライブラリー」
歴史小説の名手・朱和之さんが
ライカを愛した実在の写真家・鄧南光の生涯を通して
台湾の近現代史、写真史を見事に描き出した作品です。
本国台湾では大きな賞も受賞しています。
モデルの鄧南光は、日本統治時代の台湾に生まれ、
内地留学した法政大学カメラ部でライカと出会い、
モダン都市・東京、旧弊を残しながらも変わりゆく故郷・北埔、
そして戦後の動乱に揺れる台北などを写真に残してきました。
戦前の東京を写した写真は、木村伊兵衛や桑原甲子雄、
銀座はもちろん、不忍池も撮っていたんですよ。
同時代を生き、鄧南光と交流を持った写真家たちの横顔も描かれ
あの時代の台湾が多面的に浮かぶと同時に、
本好き、カメラ好き、歴史好き、
ご興味がありましたら、ぜひお手に取ってご覧ください。
なお、刊行に際して、訳者あとがきが公開されました。
鄧南光の写真も掲載されていますので、
https://haruaki.shunjusha.co.
もっと写真が見てみたいという方は、
刊行記念パネル展を開催してくださっていますので、
http://www.tokyodo-web.co.jp/
『南光』 朱和之 著/中村加代子 訳/春秋社
https://www.shunjusha.co.jp/